~ 第三十八花 決意 ~

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“ 修羅が抱える数多(あまた)の怨み・辛(つら)みが連(つら)なり…鋼鉄の鎖になる。修羅と修羅に絡まる怨みの鎖は…今まで癒える事なく…闇をさ迷い…人の怨みをも喰らい…己の悪なる鎖になる… ”              修羅は唸り身体のあちらこちらからは、絶えず血が流れ出る。 痛みと己の心と身体を見えない鎖が邪魔をする。   『煩イ…!娘…!』   グゥグゥと獣の唸り声を上げ苦しみながら叫ぶ。 雅はそんな修羅をも、見捨てる事が出来ずに声を掛け続ける。 怖くて…怖くて仕方がないのに…。   ゆっくり…ゆっくり、震える身体を隠しながら修羅に近付く。   『雅殿!!』   将文が雅に必死に駆け寄り、止めに入る。   『危のうございます!近付いてはならない!』   将文は必死に雅を説得する。 が……雅は、優しく微笑み   『将文様…大丈夫です。将文様や皆様が、無事である事がわたくしの望み…。苦しむ悪鬼も…見捨てられませぬ…。皆様が無事なら…。』   そう優しく微笑みながら言うと将文の腕をやんわりと解いた。 将文はそれでも止める。 友里も雅に駆け寄り止める。   『御止め下さい!雅殿!』   必死に止める友里にも優しく微笑む。   『友里様…わたくしは大丈夫です。』   雅はまたゆっくり…ゆっくり修羅に近付く。   『貴方は…何に苦しんでいるのです?』   唸りながら修羅はまた雅を見る。神々しい光りを放ち…雅は近付く。   その姿に…修羅はぎょろりとした目を見開いた。     “ 見覚エノアル顔…其方(そなた)は … ”       “ 修羅が見た雅の姿は…… ”
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