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“ 私ノ身体ノ中ニ…何カガ居ル…私ニ囁ク…“我ノ…人形ニナレ”……ト ”
『何を考えておるのだ…?』
父親は息子が、段々怖くなり身体を少し震わせた。
『ただ…取り返すのですよ…。私は、自室に居ます。』
そう言うと、父親の部屋を出ていった。
息子が部屋を出ていった後、身体をふるふると恐怖で震わせながら…
『あやつ…何を考えておるのだ…?』
言った。
~ 水場 ~
二人が居た部屋から帰って来た女房が、持ち場に戻ってきた。
双方の女房が、こそこそと話をしている所へ行った。
『どうかしたの?』
声を掛けてみると、二人は驚いたらしくびくりと身体を飛び上がらせ声を上げた。
『きゃっ!』
『何叫んでるのよ!驚くじゃない!』
声を掛けた女房も驚き大声になった。
双方は胸を撫で下ろすした。
『若旦那様かと思ったわ…。』
ふぅと息を吐きながら言う。
『何があったの?』
そう聞かれ二人の顔を見合わせて、話始めた。
『ねぇ…若旦那様、様子おかしくなかった?』
その言葉に、はっとする。
『貴女達も思ったの?えぇ…何だかね、おかしいのよ。目付きやら口ぶりが。』
その話を聞いた二人は、やっぱりと言う顔をし、悪寒に襲われた女房が口を開いた。
『何かに憑かれた様な…変な感じだったわ…。』
『何があったのかしら…いつもの若旦那様ではなかったわ。…あら?そう言えば…睦(むつ)は?』
女房が、思い出したかの様に名前を言う。
二人の女房も不思議に思い考える。
『そう言えば…昼から姿が見えないのよ。おかしいわね…。』
『何処行ったのかしら…昼若旦那様の元に居たのは覚えているのだけど…』
三人の女房達は、そう話すとまた任された仕事をし始めた。
三人が話をしている女房は…
もうこの世の住人ではない…
骸は…薄暗い湿った蔵に…
魂は…この世を彷徨い…
“ いずれ…怨霊とかす ”
友里は自室に戻ると、急に頭の痛みを覚えた。
激痛がはしり、友里は頭を抱え悶え始めた。
苦しくなり、“うわぁ…”と小さく呻く。
脂汗(あぶらあせ)が、額を伝い身体中を悪寒が走る。
その時………耳の奥…から
悍ましい 声が 聞こえた
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