~ 血を欲する鬼人 ~

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“ 赤月の 不吉な光り 身に注ぎ 怨みの力 鬼人と変わる ”         部屋から覗く赤月を、酒を飲みながら見つめる。 友里は、血の様に赤い月を妖しく笑みしじっと…見つめる。 その時…修羅の声が脳に響く。   “ 友里ヨ…我ノ力ヲ…試シタイカ……? ”   不敵な低い声で笑いながら友里に言う。 その言葉に、くつくつと喉の奥で笑いながら…   『お前の力か…くくっ…そうは言うが…お前…血を欲しているのだろ?くくくっ…』 扇子で口元を隠しながら、友里は妖艶に笑う。 その問いかけに同じ様に笑うと、友里の身体の中から出てくる。 修羅は友里の前に膝立ちをすると、にやりと笑い 『クックック……嗚呼…血ガ欲シイ…鮮血ヲ…浴ビタイモノダ…フッフッフッ………』 立ち上がり己の腰から刀を抜くと、舌で刃を濡らし友里を見る。 その姿に鼻で笑うと修羅を見上げ 『名の如く……か戦いが好きな奴だね…そんなに血が欲しいか…?』 『嗚呼……血ガ欲シイ……サァ……オ前ノ怨ミノ…我二見セテミヨ………』 そう告げると、また友里の身体に入った。 友里は、妖艶に笑うと酒を煽り座から立ち上がった。 昼間、睦を斬り捨てた刀を腰にさし部屋の襖を開ける。  その時……………! 部屋の前にがたがたと震えながら、一人の女房が立ちすくんでいた。 あわあわと手を口に当て、動けずに友里の顔を見上げた。 友里はくつくつと喉の奥で笑うと、腰にさしてある刀に手をやる。 仕種で女房は、“きゃー!”と悲鳴を上げ、逃げ出した。 逃げ出した女房を、愉快そうに見ると女房の後をゆっくりと追う。 その悲鳴声で、他の女房や友里の父親も驚き部屋から飛び出した。 女房は真っ青になり、結っていた髪が解け振り乱しながら、逃げ惑う。 他の女房は部屋に隠れ、逃げ惑う女房をゆっくりと追って来た、友里の顔を見た……   何と…物凄い…悍ましく笑みする表情…   他の女房達は、友里が通り過ぎるまで部屋でがたがたと震えながら待ち、追われている女房の後を追った。 友里は妖艶に笑いながら女房を、ゆっくり…ゆっくりと…追う   『逃げても無駄だ……フフフッ』         “ さぁ……其方の血を……見せておくれ…………くくっ… ”           “ 誰にも負けぬ…力を手に入れたのだ…さぁ……逃げ惑うがいいさ……直ぐに捕まえてやろう… ”
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