~ 鮮血色の桜花 ~

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“ 赤月の 妖しき光り 照らされ て 骸に積もる 哀しき桜 ”     じゃら…っと女房が庭の玉砂利に倒れる。じゃり…じゃりっと、黒き影を覆った友里がゆっくりと近付く。 『何をやっておるのだ!友里っ!』 主が怒鳴る。その声に友里は反応し、にやりと不気味に笑う。 『ははっ…ただのお遊びですよ父上。』 不気味な笑みしながら言う。その変わり果てた息子を目にし、愕然とする。 『と…友里…お前…狂うてしもうたか!』 友里見て主は言う。 その言葉を耳にした友里は刀を持つ手に力を入れる。 『…何を申される…父上。私は狂うてなどいません。』 先程とは打って変わった笑みを浮かべながら、主を見て言う。   “ 狂うただと…お前からの重圧に…私を苦しめたお前に何が解るか…… ”   今まで父親の重圧で影で苦しんでいた。その時、頭の中で修羅の声が響く…   “ アヤツモ…殺スカ…? ”   修羅に答えた。“ 後の…楽しみに… ”と意味深しい言葉で答えた。 『友里…止めるのだ!』 主の声で、覚醒する。 友里は、笑みを浮かべ… 『父上…そろそろ左大臣家に行かれた方がいい。』   と優しく笑みしながら言う。 主はいつもの優しい笑みを見てほっと胸を撫で下ろした。 『嗚呼…そうだな。共に行かぬのか?』 そう問い掛けられ友里は、答える。 『先に、女房達と向かって下さい。』 と言う。女房達も胸を撫で下ろし、主と女房達は左大臣邸へ向かう為、家来を従え向かった。 腰を抜かしていた女房は、安堵の溜息をついた。 友里はそれに気付き、女房に近付く。 いつもの様な優しい友里に戻ったと思い、安堵し立ち上がる。ふと…鞘から抜かれていた刀を見る…        血の跡   刀を見た女房は居なくなった睦を思い出し、まさかっ!と思いがたがたと震えながら友里を見た。 友里は……不気味に笑うと…      “ すまないね… ”   と言うと…ぐしゅっと共に、女房の“キャー!!”と言う叫び声が響いた。 『と…とも…さと…さま…なぜ………』 血を吐きながら女房が聞く。友里は顔に血飛沫を浴び妖艶に笑みすると… 『色々…知りすぎた…』 と言い、女房の身体から刀を抜き女房が倒れた。 女房は目を見開いたまま、事切れた。 友里は赤月を見上げ、高笑いをした。 屋敷には…不気味な赤月が照らし…   女房の骸に………       桜花が…舞い散る…    
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