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「バンビ~。トーコのそれ、俺も千速君も知ってっから」
「え?」
恐る恐る視線を向けた千速先輩はとっても自然に首を縦に振った。
そうなの?
そういうのって隠しておきたいものじゃないの?
めちゃくちゃ動揺しながら透子先輩を見たら、何かを察した顔をして口をぽかんて開けた。
その顔レアです可愛いです。
「あらあらあら。私がBL大好き腐女子だって、姶良が話したのかしら?姶良が話したのね?」
「……はい。個人の繊細なところを聞いてしまったので、謝るっていうか、その、知ってしまってすみません」
「あらまぁ。バンビ君は悪くないでしょう?そうでしょう?」
「えーっと、聞きたがったわけではないですけど」
「でも謝ってくれるのね」
「はい。透子先輩から聞かされたのなら別に気にならなかったんですけど」
パンッて手を合わせてニコーッて笑った。
なにそれ超カワイイ!
「ありがとう!気にしてくれて嬉しいわ」
きゅんってなってる俺。
それが急降下する言葉が降り注いでくるとは、恐ろしや……
「バンビ君、忍ととってもお似合いだと思うの!初めて会った時にそう思ったの!お昼を食べている時も二人が並んでいるのを見るのが私の楽しみなの」
なんですって?!
びっくりして固まる俺を見た姶良が静かに合掌をしているのが目に入る。
つまり、透子先輩を怖がってるっていうか犬とか猫がイカ耳になってるみたいにひーん!てなんてるのはこれが原因?!
「先輩。落ち着いてくださいね」
「あら!ごめんなさい。興奮してしまったわ」
「でしょうね」
千速先輩、慣れてません?
驚いて見ちゃったら千速先輩は綺麗に肩を竦めた。
「俺にも幼馴染が居るからね」
「そうなの!千速と岡田君もとてもお似合いなのよ」
「そういうのは頭の中だけにして下さいね」
「あら、そうだったわね。そういうものだったわね。ヒロや忍が平気で聞いてくれるからたまに忘れてしまうの。ごめんなさいね」
姶良が小さな声で「それは慣れさせられただけだから」って呟いて大体を察した。
そういうマイノリティーに属する趣味趣向はもっと隠れたがるものだと勝手に思っていたけど、どうもそういうものでもないらしい。
「先輩の悪い癖です。カップリングしたがるのは」
「そうね。そうなのね。口に出さないようにするわ」
「多分ご期待には沿えませんけど、聞くだけなら聞きますよ」
「ほんと?!」
千速先輩と姶良がそれぞれの反応で馬鹿な真似を!って伝えてくるのがちょっと気まずい。
でもさ、しゅんってなっちゃった透子先輩を見たらつい。
「忍先輩の迷惑になってもいけませんし、俺以外の前で話さないって約束していただけます?」
「ええ、もちろんよ」
「だったらまぁ、ちょっとくらいは」
「ありがとうバンビ君。私の生活、もっと華やぐわ」
華やぐ?
ちょっと意味が分からなかったけど、まぁ先輩が笑顔ならそれでいいか。

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