行きのバス

4/6
前へ
/50ページ
次へ
舞子は慌てて目をそらした。 『ぅわぁ、ひとりで笑ってる私って、きもちわるいんだろうなぁ……』 舞子は赤面した。                               学校に着くまでずっと下を向いていた。                                    学校前バス停に着くと、舞子は風のようにバスを滑り降りた。             早く少年の視界から消えたかった。                                                                          ところが、そのすぐ後を、少年も風のようにバスを滑り降りてきた。                  「待って!」                   と、少年が言った。                                               『――私……ですか?』 舞子はおそるおそる振り向いた。              「うん。君、岡田舞子さんじゃなぃ?」 少年は舞子を知っているようだった。
/50ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加