【零日:死神と申します】

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【零日:死神と申します】

『貴方は一週間後に死にます』  確かあれは橙がかった赤の濃淡が鮮やかに空を染め上げる――夕焼けが綺麗な時間帯。いつの間に眠っていしまっていたのか、私はそっと目を覚ました。気が付けば――そう表現するのが一番しっくりくるような感覚の中、意識が現実世界と触れ合いながらも夢現で気分は心地好い。  まだ眠気の錘がぶら下る瞼を緩慢と上げた私だったが、夕陽の眩しさに又もや目を瞑った。それは早朝、目覚ましに起こされたように直ぐには瞼を上げられなかったが、それでも少し強引に目を開いてゆく。  若干ながらぼやける視界。そこにはまだ夢の中にいるんじゃないかって思わせるような光景が広がっていた。黄色っぽい橙色のどこか神秘的で――日中とは表情を変えた夕陽が病室をも綺麗に彩っている。 『綺麗だなぁ』  私は依然と鮮明にならない意識の中、ただ単純にそんな事を思っていた。と言うよりそんな感情がふわっと浮かび上がって来たと言う方が合ってるのかもしれない。  でもそんな光景の中、違和感のようにそれはあった。  ――人影。外から差し込む光を正面で浴びながらそこに誰かは立っている。顔も見えないとは言え、その人に見覚えはなかった。そんなスーツにハット帽を被るような男性は少なくとも私の周りにはいない……はず。  するとその男性は私の視線に気が付いたのか、物音一つ立てずに振り返った。顔が依然としてぼやけたように見えないのは、私がまだ寝惚けているからなんだろうか? 「初めまして。五宮桜咲さん」  初めまして、そう言いながらも私の名前を口にした男性。 「誰……?」  それに対し、私は精一杯の疑問を口にした。 「(わたくし)は、死神です」  死神、そう言ったような気がした。  きっとこの人は冗談を言ってるんだろう。それかこれは悪い夢だ。 「突然ですが――貴方は一週間後に死にます」  だってほら、何だかまた眠たくなってきて瞼が重く……。

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