久しぶりの未来視 ~アレクサンダーSide~

6/10
前へ
/763ページ
次へ
 パミエラ王女を運んでいる最中もリオーネの顔が頭から消えない。  不安そうな表情……王女を回復させて戻ったら必ず甘やかして沢山愛を囁くんだ。  彼女はすぐに自分の本心を隠してしまうし、その方がいいと判断したら本音を言わなくなる。  早くリオーネのもとへ戻りたい……客室の一つに王女を寝かせ、聖力を使い回復させていくと、王女の顔色がみるみる回復していった。  「よし、もう大丈夫だ。あとは侍女に声をかけて――――」  「殿下……」  ベッドから離れようとした瞬間、パミエラ王女の弱々しい声が聞こえてきたのだった。    「パミエラ王女。意識が戻ったのですね。良かった」  「殿下、お願いです。今夜だけで良いですから、ここにいてくださいませんか?」  瞼が少し開かれ、懇願するような瞳でこちらを見つめるパミエラ王女。  こんな風に王女に縋られるのは、男としてはとても喜ばしい事なのだろうな。  しかし私の中には何の感情も生まれない。  「申し訳ございません、パミエラ王女。私には私を待っている人がいますので」

最初のコメントを投稿しよう!

218人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>