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本棚に追加 その週の日曜日、夫が子供たちを公園に連れて行ってくれることになった。
ひととおり家事を終えたわたしは引き出しから手紙を取り出していた。
江海ちゃん。
この間は来てくれてありがとう。
もう会えないと思っていたから
嬉しかった。
この手紙も出そうかやめようか
ずいぶん迷いました……
でも、臨終間際の獅堂からあなたへ
1枚のメモを託されてわかったの。
彼はやはりあなたに真実を伝えた
かったのだと。
整った文字で書かれた手紙はそのように始まっていた。
真実?
わたしはその言葉に引っ掛かった。
あなたは今はご結婚されて、お子さん
に恵まれた幸せな生活を送っているそ
うですね。
もし、もう過去のことには一切触れた
くないと思われるのであれば、どう
ぞ、読まずに破棄してください。
結局、あなたに判断を委ねる形になっ
てごめんなさい……
真実も何も、言い訳だったら聞きたくないという気持ちもあった。
でも、シド兄の唐突すぎる心変わりに、ずっと納得しきれない思いも、確かにあった。
これを読めば、ようやく、彼からその思いからも解放されるかもしれない。
そう思って、わたしは続けて便せんをめくった。
20年前。『オレアンダ』でライブの
練習をしていたとき、わたしはみん
なの前で獅童に「江海ちゃんが好き
なんでしょう」と訊いたことがあっ
たの。
だって、あなたたちの態度を見れば、
一目瞭然だったから。

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