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『ご…ごめんなさい……!』
私はポケットから
ハンカチを取り出して
黄色いシミを拭こうとする。
『あっ……馬鹿!!
汚れ広げてどうすんだよ!!』
『あっ……!!』
私はぱっとハンカチを
ひっこめた。
(ど……どうしよう……。
よりによって
双子の服汚すなんて――)
『ったくさ、どうしてくれんの?
これ、何十万とするんだけど?』
『え……』
(な……何十万……!?)
『弁償……
してくれるんだよなぁ?』
隼人は私の顎を
クイッと持ち上げて言った。
そのときは……
タチの悪い不良に絡まれてる
気分だった。
『……ていうか……
服汚されたくらいで
グチグチ言ってんじゃないわよ!
大企業の御曹司でしょ!?
金持ちは心が狭いのね!!』
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