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気がつくと……
あたしはそう叫んでた。
隼人の顔を見ると……
驚きと怒りを混ぜあわせたような
表情をしている。
(や…やば……つい――)
そう思っても
……もう遅い。
『お前……
生意気な口聞きやがって!
本気で何十万弁償……!』
――そのときだった。
『――まぁまぁ隼人。
ちょっと落ち着けよ。』
そう言って
あたしと隼人の間に入ってきた人。
『橘…優斗……。』
『……なんだよ、優斗!
俺は充分落ち着いてるっつの!』
『……何十万弁償?
しかも学生。しかも庶民。
冷静になってるとは
言えないね。』
優斗はにっこり
笑って言う。
(“庶民”って……。
あんまりいい響きじゃないんですけど。)
あたしはむっとして
優斗を睨みつけた。
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