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『……隼人。
こいつの名前、知ってるか?』
優斗はあたしに
親指を向けながら言う。
『はぁ?
知らねーよ、こんなサル女。』
『なっ……!!』
バカにするような目で
あたしを見る隼人。
あたしは言い返そうと
したけど――
『……亜紀。
遠野、亜紀って言うんだぜ。』
あたしの言葉を遮り、
優斗もこっちを見た。
“遠野”の部分を強調するように
言ってから。
『……?』
『へぇ……遠野……か。』
隼人はじっとあたしの
方を見る。
(な、何……。
嫌な予感がするのは
気のせい……?)
あたしは一歩
後ずさった。
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