2話🍀始まり🍀

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  『俺が人質に取ってるモノ。 ――2つ。』     そう言いながら、 隼人は手にピースを作った。     『――1つ。 もちろん、汚されたこの服。』     『………。 それは……わかるよ。 でも、もう1個はなによ……』     隼人はふふんと笑って あたしの方を見た。     心なしか 優斗の口端も笑っているように 見える。     『2つ目は、 ……あんたの家庭。』     『か……家庭……!? ワケわかんない! なんでそこで家が出てくんのよ!』     あたしはおもいっきり 掴まれてた腕を振り払った。     『…お前……マジ威勢いいな。   これから本当にサル女って 呼んでやろうか?』     まじまじとあたしを見ながら 言う隼人。     『んなっ……!! どんだけ失礼なのよ、あんたは!』     『…ぷっ……』     『……ちょっと!! そうやってこっそり吹き出すクセ どうにかすれば!?』     隼人と優斗に 無我夢中で叫んでたあたし。   そうして―― 今やっと気づいたんだ。     あたし達の周りに たくさんの人だかりが できていることに……。
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