Will you marry me?

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「ワインもお料理も、とっても美味しいわね」 「そうだな。カレンが喜んでくれてるのが、なにより嬉しいよ」 穏やかな微笑みを浮かべる住谷に、カレンは意を決してフォークとナイフを置いた。 「住谷、私ね」 「ん? なに」 「私、こんな幸せな気持ち、初めてなの。想像もしていなかったし、こんな幸せがあることも知らなかった。だから、今は想像つかなくても、なにも分からなくても、あなたを信じる」 「え?」 なんの話かとばかりに、住谷は小さく首をかしげた。 カレンは、しっかりと住谷を見つめて告げる。 「私、あなたと結婚します!」 住谷はポカンとしたあと、たまらないというように笑い出す。 「ははは! かっこいいなあ、さすがはカレンだ」 「え、なにが?」 「だって普通の女の子なら、男からプロポーズされるのを待つだろう? なんなら、思わせぶりな態度でねだったりする。それなのにカレンは、相手任せにして受け身にならない。男に期待せずに、あくまで自分が動く。かっこいいなあ、惚れ惚れするよ。さすがは俺のカレンだ」 「え、あの、どういうこと?」 真顔で聞き返すと、住谷も「え?」と動きを止めた。 「カレン、今俺に逆プロポーズしてくれたんじゃないの?」 「は? 違うわよ。私はあなたにプロポーズの返事をしただけよ」 「え?」 「あれ?」 嫌な予感がして、カレンは目を泳がせる。 「あの、住谷? ひょっとして、私にプロポーズしてくれた記憶は……?」 「……ないね」 ガックリとカレンは肩を落とした。 「私、またやっちゃった? もうどうしてこうなるの。住谷、お願いだから忘れてちょうだい……」 そう言って顔を上げたカレンは、見たこともないほど嬉しそうな表情を浮かべている住谷に、言葉を失う。 「カレン」 「は、はい」 「俺は君が、結婚に縛られるのは嫌なんじゃないかと思っていた。だから敢えて言わなかった。それにただ君と一緒にいられるだけで、この上なく幸せだったから。だけどもう迷わない。カレン、さっきの君の言葉はなかったことにしてくれ」 「え……」 それは、まさか? (結婚は考えられないってこと?) カレンの目にじわりと涙が浮かぶ。 すると住谷は、真っ直ぐ真剣にカレンを見つめた。 「改めて俺からプロポーズする。カレン、誰よりも美しくてかっこよくて、俺が心から尊敬する、たおやかな人。それでいて、明るく可愛らしく、愛おしい人。俺は君を心から愛している。この先もずっと君のそばにいると誓うよ。カレン、俺と結婚してほしい」 カレンの瞳から、ぽろぽろと大粒の涙がこぼれ落ちる。 そして想いをそのまま口にした。 「私、ずっと一人で生きてきたの。誰かに頼ったり、泣きついたり、すがったり、そういうことができない性格で……。君は俺なんかいなくても、一人でたくましく生きていけるタイプだねって言われて、そうよって答えるほど可愛げなくて。だけど、今はね」 涙をこらえながら、カレンは住谷を正面から見つめた。 「今、あなたが私のそばにいてくれて、すごく幸せ。こんなに心が温かくなるなんて、知らなかった。私がずっと一人でがんばってきたこと、あなたが気づいてくれて嬉しかった。あなたに可愛いねって言われて、恥ずかしいほど喜ぶ自分が意外だった。あなたが教えてくれたの、私の知らなかった幸せも、私自身のことも。これからも、もっともっと教えてほしい。一度手に入れてしまったら、もうこの幸せを手放せない。あなたとこの先も、ずっと一緒にいたいです。私と結婚してください」 震える唇で懸命に言葉を紡ぐカレンに、住谷は優しく微笑んで頷く。 腕を伸ばすとそっとカレンを抱き寄せ、耳元でささやいた。 「 Will you marry me ? 」 カレンは涙混じりの声で答える。 「 Yes, my darling. 」 住谷は、ふっと笑みを浮かべてカレンの頭をなでた。 「愛してるよ、俺の可愛いカレン」 そして甘く優しいキスを贈った。

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