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夏休みが終わった。卒業まで半年。タツルとジュリは同じ高校に通う三年生。授業中、タツルはジュリの横顔をそっと眺め。胸が熱くなるのを感じる。ジュリはタツルがテニスコートでラケットを振る姿を眺めては胸を熱くする。
「お疲れ」
部活終わりのタツルがジュリに告げる、そのたびにジュリも短く「お疲れ」と返す。顔が赤らむのは、けっして夕日に照らされただけじゃない。
「好きなんでしょ? タツルのことが」
からかい半分に同じ部活の友達・アリサがジュリに言った。
「そんなんじゃないって」
けれど、そうこたえるジュリの視線は、夕日の色に染まるタツルの後ろ姿に染まるばかり。少し黄色みを帯びた夕方。
強化ガラス越しの夕日はヒビとキズが入って今にも割れてしまいそう。そんな空のことなど考えたくもないジュリはアリサを誘う。
「帰り道にコンビニに寄ってアイスでも食べよう」
「あと半年か……」
ジュリに声をかけらえたタツルは夕日に向かって歩き続ける。このままジュリの方を振り返り、そして彼女の方に駆け出して、そしてこの気持ちを伝えられたらどんなにいいだろうかと考える。
けれど、今まで女の子に自分の気持ちなど伝えたこともない。どうすればいいのかわからない。誰かに相談するのも気恥ずかしい。すべては迷路で迷子になったような気分。

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