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プラスチックで出来た木の形の玩具から、醤油のような液体が流れてきた。
幼かった私は、指についたソレをぺろりと舐めた。
ーーーーーーー!!!
幼い私でもコレは舐めてはいけない『味』だとわかり、慌てて子供部屋から飛び出して口をすすぎに行った。
不味いを通り越して、舐めた舌から怖い何かが侵略してくるような、おぞましい感覚に襲われたからだ。
十数年後、ふとその時のことを思い出し、その液体の正体に気がついた。
乾電池の電解液の液漏れだったのだ。
木の幹部分に備え付けられた、エレベーターを稼働するための単一乾電池。
万が一電解液を舐めてしまった場合、すぐに口をすすぎ冷たい水または牛乳を沢山摂取し、しばらく様子を見る必要がある。頭痛や吐き気、喉の痛みなどの症状があるようなら受診した方が良い。
皮膚についた場合はすぐに洗い流す。化学物質による火傷を負う恐れがあるからだ。目には絶対に入らないようにすること。
様々な玩具に乾電池が使われているこの時代、兄弟や知り合いからのお下がりの玩具は特に乾電池の使用期限など充分に気をつけねばならない。
長期保管する場合なども、乾電池を抜いておくことをオススメする。
思い出そうとすれば容易に思い出すことができるほど、強烈な『味』だった。
そして更に数十年後私に子が生まれ、その子がよく玩具で遊ぶようになった頃ーーー。
私は衝撃の事実を知ることになる。
実は2つ年上の兄も、私より先にあの玩具の液体を舐めていた。
「あれは……あかん味やったわ」

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