<第一部>※※プロローグ ~もっと奥に~
古の時代からこの世界にひっそりと住まう、魔女伝説が残る世界――――
生きとし生けるものと寄り添いながら生きる、いい魔女として語り伝えられていたが
人よりも遥かに長い時を一人、息を潜めるかのように森で生きてきた魔女の存在をはっきりと見た者はいない。
ただ一人の青年を除いては……
魔女はいい魔女だったので
森で出会ったその青年の子孫が末永く繁栄するように祈りを捧げたという。
やがてその青年は西の端に一つの国を作り上げる。
ツェットリーニ王国と呼ばれるようになるその国は、青年の子孫が王族として代々管理し
魔女の存在を人々に語り継いでいった。
しかし数百年の時を経てその存在を確かめる術はもうどこにもない。
人々の記憶からも魔女の存在は薄れていき
やがて、ただの伝承として残っているだけになっていった
――――ツェットリーニ王国・オーレンブルク公爵邸――――――
月がひと際美しく光り輝き、その形は欠けることなく全てをこの世界に露わにしている夜。
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