第一章

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第一章

 冷たく暗い、地下の水牢に、由比・ジュドウ・茉希(ゆい・ジュドウ・まき)は閉じ込められていた。  薄衣を纏い、水の中にしゃがみこんでいた。  ゆっくり眠りたくても、足首まで水があるので横になれない。  食事は、一週間ほど前から運ばれて来ない。  極限状態にありながら、茉希の精神はクリアだった。  研ぎ澄まされていた。 「今度は……失敗しないように、しなきゃ」  色の悪い薄い唇を、茉希は噛んだ。  痩せて細い脚を伸ばし、立ち上がったところで、牢番が誰かと話す声がした。 「あの声は……亜貴」  茉希の双子の兄・由比・ジュドウ・亜貴(ゆい・ジュドウ・あき)が、面会に来たのだ。  健康的な笑顔は、茉希と対照的だった。  いや、一卵性の双子だから、茉希も亜貴と同じように美しいはずなのだ。  亜貴の髪は、少しウェーブのかかった柔らかい栗色だ。  白い肌に、輝く大きな瞳。  すらりとした四肢に、キュートな唇。  そんな亜貴が、頑丈な牢扉越しに話しかけてきた。

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