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「アタシの友達ね……あの男に殺されたんだ……」
崖で殺した奴か……だから直美は……
「ただ殺されただけじゃなかったんだ……あの男に汚されてた……アタシは男に縛れていて何もできなかった……間一髪のところで逃げられたけど……アタシの友達はもう…………」
直美の声がかすれ始めた……
「アタシはもう誰も大切な人に傷付いて欲しくない……てる君に傷付いて欲しくない……もう失う苦しさは味わいたくない……」
「直美…………」
俺は彼女の肩に手を置き抱き寄せた
「毎日が不安になって……事あるごとに今日で最後になるのかなって思ったりして……まだ会ってから数日しか経ってないのに不思議だね……アタシはも…」
俺は彼女の唇に俺の唇を重ねた
彼女は驚いた顔して俺を見ている
「死ぬ事は確かに怖い……俺も大切な人を失う悲しみなんて味わいたくない……だから前向きに生きるんだ……だから強がってみせるんだ……怖がっていたら守れる人も守れなくなる……」
「てる君……」
「俺は直美を絶対に守ってやるから!! そして俺たち二人で生き残ろう!! 大変だけど俺たちならできる!! っで今を精一杯生きよう!! 二人の時間を大切にしよう……俺は今この時間が幸せだから……直美の事が好きでいれる今が幸せだから……」
俺は彼女を抱き締めた……そしてまた接吻をした……
「アタシも好き……」
俺は部屋の明かりをベッド越しのスイッチを押して消した……
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