33人が本棚に入れています
本棚に追加
頭がガンガンする。
鈍い熱が後頭部にわだかまっていて、それが頭痛の原因なのだろう。そっと手をやると熱を帯びてはいるが意外と腫れてはいなかった。触ってわかったのだが、うるさく痛むのは頭蓋の中で、頭皮の痛覚は何も訴えてはこない。確か頭の怪我は出血やコブがあった方がいいと聞いた覚えがある。もしかしたら、ちょっとやばいのかもしれない。
手の甲にさらりと、清潔に乾いた布が触れた。
そういえば俺、何で寝てるんだろう。
重い瞼を苦労して持ち上げると、見慣れない天井が目に入った。
否、見覚えはある。
カーテンレールがベッドを囲むように巡り、そこから降りるカーテンで視界は狭く遮られている。ベッドの上からでは辺りの様子はわからない。
だが、遠くに聞こえる喧騒は馴染み深いものだった。
「……保健室?」
頭痛を気にしながら、ゆっくりと上半身を起こす。それだけで眩暈がして吐き気が込み上げて来た。
一体どうして保健室にいるんだっけ。頭痛に関係することはなんとなく見当がつくけど……。
ぐるぐると思考が渦巻く。考えることが億劫だ。上半身は起こしたままで目を閉じた。そうしないと思考の渦で悪酔いしてしまいそうだったからだ。
最初のコメントを投稿しよう!