第三話「夜更けの甘い独占」

1/1
前へ
/9ページ
次へ

第三話「夜更けの甘い独占」

夜。ネルの部屋には、わずかに月明かりが差し込んでいた。 机の上には、ネルが買ってきたチョコレートと、授業で使ったノートが雑然と置かれている。 「……もう寝る時間だろ?」 祢音の声にネルは振り返ると、赤みがかった茶髪の彼がソファで寝そべり、吸い殻の匂いを漂わせていた。 「ちょっとだけ……」 とネルがベッドに行こうとすると、祢音はすっと立ち上がり、ベッドの前に立ちはだかる。 「どこ行く?」 「……寝るだけ」 「俺と寝ろよ」 柔らかくも強い力でネルを抱き寄せ、唇を塞ぐ。 ネルの心臓は激しく跳ね、体も熱を帯びてくる。 「祢音……や、やめ……」 「やめねぇよ。俺が欲しいんだ、ネル」 祢音の手はネルの背中を撫で、腰に回り、二人の体はぴったりと重なる。 「お前の可愛いと甘い、全部俺のもんだ」 甘い息とともに、ベッドの上で絡み合う二人。 ネルはまだ少し戸惑うけれど、祢音の独占欲に抗えず、身を委ねてしまう。 「……んっ、だめ……熱すぎる……」 「熱いのはお前のせいだろ」 祢音の声は低く、深く、耳元で囁く。 夜は二人だけのもの。 甘く、濃密な時間が延々と続く。 眠るのも忘れるほど、祢音に抱かれるネルは、心も体もすっかり捕まっていた。

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>