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本棚に追加潮風の挨拶
青海町の朝は、潮風が頬を撫でる。
港へ向かう一本道を、郵便バイクの軽快なエンジン音が響く。バイクは小さな商店街「青海通り」を抜け、八百屋の軒先や喫茶店の看板を横目に走る。海が近づくと、干潟の匂いが漂い、朝陽が水面にキラキラと反射する。
港の倉庫が見えると、バイクが止まり、青年が軽やかに降り立つ。
森川陽太、23歳。明るいブラウンのふわっとした髪が潮風に揺れ、オレンジがかった瞳が輝く。スリムな体に郵便局のポロシャツが映え、カラフルな靴下が覗く。
「こんにちは! 郵便でーす!」
陽太の元気な声が倉庫に響く。
事務所から男が出てくる。
大崎誠志、40歳。漁協倉庫の労働者だ。
185cmの長身に、ダークトーンのシャツとジーンズが似合う。黒髪に白髪が混じる無造作なショートカット、鋭い切れ長の目が陽太を一瞥する。
「いつもご苦労さん」
と低く言うと、陽太は満面の笑みで
「いえ、大崎さんもお疲れ様です!」
と返す。誠志はフッと小さく笑みを浮かべ、郵便を受け取る。
倉庫の奥、市場から
「おー! 陽太ー!」
と漁師の声。陽太は
「こんにちはー!」
と大きく手を振る。
「それじゃあ失礼します!」
「ああ、お疲れさん」
誠志が声をかけ、踵を返した。陽太はバイクで市場へ向かい、漁師たちと楽しげに話す。誠志はそれをちらりと見て、事務所に戻り郵便を分別する。
市場では若い漁師が
「お前、あの倉庫の奴と話してんのか?」
と聞く。
「大崎さんのこと? うん、挨拶くらいは」
「へぇ、他人と話してるの見たことねぇな」
年配の漁師が
「まぁ、来たばっかだろ。3ヶ月じゃ慣れねぇよ」
と笑う。
陽太はふと倉庫に目を向けた。政志の姿はないが、切れ長の目が優しく微笑む様を思い出し、自然と笑みが浮かぶのだった。

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