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数日後、先生はこう言った。
「明日、この人形は燃やします。敵国の象徴として十分に役目を果たしました」
翌日、校庭の片隅に生徒たちを集めると、先生がぼろぼろになったメアリーを火の中に投げ込んだ。
炎がメアリーを包み、ドレスの生地が燃え上がった。
金色の髪が燃え、陶製の顔が熱で歪んでいった。
笑みを浮かべる生徒もいたが、和枝はメアリーと一緒に自分も焼き殺されているような感覚に陥った。
和枝は、炎の中でメアリーの青い瞳がまたたいたように見えた。
「さようなら、メアリー」
心の中で呟いた。
「あなたは一番の友達でした。あなたと過ごした時間を一生忘れません」
メアリーが完全に灰になったのを見たとき、世界は残酷で、理不尽で、大切なものでも簡単に破壊されてしまうという現実を突きつけられた気がした。

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