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 その日は土曜日で、寺へ行って、家族だけで四十九日の法要を行なった。  納骨も済んで、寺の集会室へ戻って休んでいると有三さんがやって来た。 「どうでしたか? 皆さん、光子さんとゆっくりお別れできましたか?」 「ありがとうございました。母が亡くなってみると、もっとしてやれば良かったとか、話しておけば良かったと思うことがいろいろとあって、胸が痛むことも多かったんですが、この仕組みのおかげで、ちょっと気持ちが楽になりました。心置きなく、母を極楽浄土へ送り出せるような気がします」  父さんの言葉に、同じ気持ちだった俺たちはうなずいた。  今日で、婆ちゃんがこの世でおこなったことへの裁きがすべて終わって、この先どうなるかが決まるのだけど、俺たちは、婆ちゃんが極楽浄土へ行けると信じていた。 「じゃあ、こんどこそ本当にお別れをしましょう。友弥くん、光子さんをスマホの画面に呼び出してください」 「はい」  俺がパスワードを入力すると、婆ちゃんが現れた。  相変わらず、雲の上にちょこんと座っている。  今日は旅立ちの日だからか、婆ちゃんは白装束を身につけていた。  俺たちは、身を寄せ合って画面を見ていた。  今日はもう、誰の目にも涙はなかった。みんな、晴れ晴れとした顔で笑っていた。  俺たちは、以前、有三さんから教えてもらった別れの言葉を思い浮かべた。 「じゃあ、皆さん、声を揃えて言ってください。せえのっ!」 「いってらっしゃーい!」  俺たちの声が届いたのか、婆ちゃんが乗った雲がくるりと向きを変えた。  画面全体が暗くなると、雲は闇の彼方へ消えていった。  婆ちゃんは行ってしまった――そう思ったときだった。  雲が消えた辺りに、明るい星が一つ現れた。  星は、呼びかけに応えるように、きらきらと瞬いた。  婆ちゃんたら、今頃、ぶつぶつ文句を言っているかもしれないな――。  空が星だらけになるから、星になるつもりはなかったんですよ。わたしは、雲に乗ったままで良かったのに――ってね。  お わ り

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