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「そこの貴女!」
「え…私?」
夕闇が迫る仕事帰りの道すがら、見知らぬ老婆に声をかけられた。
老婆とは言え腰が曲がっておらずシャンとした背筋でおおよそ80代前半くらいの女性。
見事な程に真っ白な白髪に、気品を感じる羽根の装飾が付いたファシネーターの様な帽子と、上品な菫色のワンピースを身に纏っている。
レース編みの手袋をはめた手には黄色身かかった
封筒を握りしめ、私に向かって意味深な笑みを浮かべていた。
「えー…」
(一体なんなのよ…そして誰…?)
混乱する脳内は数分前に遡る。

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