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 美琴と最後に会ってから四日が過ぎた。  俺の二十三の誕生日はお互いが職場で過ごした。  仕事が始まるってこういうことなのだろうと、しみじみ思う。  帰宅して、ふと思い出した。 「二十三歳の誕生日に流れ星を見ると、何でも願いが叶うんだってさ」  自然と身体が動き、ベランダへ向かう。  今日一度も見上げていなかった空に、いくつもの輝きが見える。  こんなにも綺麗なのか。と、改めて思った。 「あ……」  偶然なのか。  運命なのか。  数秒見上げた夜空の奥で、一つの輝きが流れた。  考える間も無く願う。  もう一度あの頃に戻って……  ただただ、楽しい時間をやり直せたら。  その日は何を考えるわけでもなく、すぐに眠りについた。  温もりのある光を浴びて、目が覚める。    懐かしい声と音が聞こえる。  疲れ。悩み。不安。  全てが乗っかっている身体が何故か軽く感じる。 「お兄ちゃん、はよ降りてき!」  部屋の外から聞こえた怒声は、数年前から聞かなくなった妹の声。  寝すぎたか。  過去への想いに浸っていた弊害なのか。  こんな夢も今更見るもんなんだな。  高校時代の部屋のよう。  壁には当時好きだったボーカルグループのポスターが無造作に貼られ、いつからか集めなくなった漫画の数々が部屋を荒らしている。  綺麗に畳まれた制服に視線が向いた。 「俺の記憶って意外と綿密なんだな」  こんなにも当時の様子を具現化できるもんなのかと、自分の記憶力に得意げになる。 「遅刻するってば!」    これ以上怒鳴られるのは勘弁だと、勝手に身体が動く。   「ギシッ」  上から三段目の音が鳴る階段。  こんなものもあったな…………    降りていくにつれ聞こえるテレビの音。  目が光に慣れ、玄関横に見えてくる使わなくなったバット。  優しい朝食の匂い。  リビングの扉に手をかける。  そして開くと同時に気付いた。 「ん、これって……」

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