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突然ですが、娘が出来ました
ピコン。
携帯にニュース速報が入った。
沿岸部で震度5の地震が起きたらしい。
最近世界各地で地震が多い。
地震だけじゃない、妙に変なニュースが多い。
異常気象。突然の集中豪雨、河川の決壊。晴天続きの水不足。
車の暴走、通り魔、自殺者の増加。
野生動物の凶暴化。
天候不良による農作物への影響、価格高騰。
人や家畜の謎の伝染病の増加。
地球、大丈夫か?と思いながらも、今日もいつも通り仕事へ行き、いつも通り過ごす。
俺は仕事終わりにスポーツジムで汗を流し、ひとり分の夕飯を買ってアパートへ帰る。
俺は1年近く前、5年に渡る片思いを拗らせたのちようやく成就したかと思えば付き合って3カ月で振られるという悲惨な恋愛を経験し、とても新たな恋愛を始める気にはなれないでいた。
「あいつら……元気にしているかな」
5カ月前にあいつらが結婚の報告に来た時に、最悪な別れ方をしたのできっともう会うことはないのだろう。
俺は元彼女の相手である男とも知り合いで、これがまたある意味厄介な男なのだ。
イケメンなのはともかく、恋愛に関しては純粋で臆病な男なのだ。
彼女のためを思って身を引いたくせに10年も想い続けるとか、その10年の間に無駄になるかもしれないとわかっていつつも彼女のためになりそうなことを全て実現してみせるとか、やっぱり俺の方が彼女にはお似合いだからと再び身を引こうと本気で考えるとか……結局彼女が強く出て、収まるところに収まったのだ。
「あなたのことは好き。大好き。だから、もう二度と会わない」
一番卑怯な振り方だと思う。
いっそ嘘でも嫌いですって言ってもらった方が、次の恋へ向かえるというのに。
落ち葉が端に溜まったアパートの階段を昇ると、俺を待つかのように部屋の前で座り込む女の子が居た。
「……香澄!?」
こちらを向いた女の子は、俺が想いを拗らせている元彼女そっくりだった。
しかし、若干若い……16歳くらいか?
「……パパ!」
女の子は俺の顔を見て、満面の笑みでこちらに向かって駆けてきた。
「会いたかった!」
何の躊躇もなく、女の子が俺の胸に飛び込む。
片岡柊生29歳、突然ですが16歳の娘を持つパパになりました……
なんてワケあるか!

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