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教室に着き、ドアを開けると仲良し組のアキラとコウジが迎え入れた。
「今日もギリギリセーフだったな。」
コウジがニヤけて言うと
「今日はヤバかったんで、加速装置使った。」
ヒサシは真顔で答えた。
「最終手段を使ったか!?」
アキラがすかさず話を合わせる。
この3人、共にヒーロー好き仲間で今でも昼休みなどには、共にヒーローごっこをしている。
「!」
ヒサシはふと、殺気を感じ振り向いた。
「げっ!」
そこには、すでに担任の出門先生が教壇に立っていて、額の筋をヒクヒクさせている。
「そろそろ自分の席に着きませんかね。チャイムはとっくに鳴りましたよ?」
「しぃませぇぇん!」
ヒサシは慌てて自分の席へ着いた。
《ドッ》っとクラス中が沸いた。
机の上に教科書を立て、顔を隠してヒサシは隣のコウジに言った。
「また怒られちゃったよ。」
「お前がドジなだけだよ。」
コウジが涼しい顔で言ってペロッっと舌を出した。
「ったく!」
後ろの席からアキラが背中を突く。
「おいっ。今日の昼休みもやるだろ?」
まだ、学活の時間だというのにこの3人、もう昼休みの相談をし始めた。
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