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「透羽さん」
「………?」
出きるだけ、優しく透羽さんの名前を呼べばゆっくりとあたしの方へと向けられる漆黒の瞳。
その瞳はもう、以前とは比べ物にはならないくらいに優しく、綺麗な色を映していた。
「…もう、謝らないでください。貴方は間違っていない、謝る必要なんてないんですから」
「…花蓮さん、」
「それに、もう終わったことです。あたしは…これから先の未来を煉斗さんと共に生きたい。出来るなら…透羽さんにもそれを認めて貰いたいんです」
「…………っ、」
「あたしが…煉斗さんのことを好きでいるのを、認めて頂けますか?」
ソファーの前のラグの上、正座をしたままの透羽さんに向かって手を差し述べるように伸ばせばー…。
「…っ、勿論ですっ!!」
あたしの手をガシッ!と掴むように握った透羽さんー…。
「…俺は、…貴女のことを勝手に一方的に決め付けて…その上更に…酷い態度を取った。貴女を傷付けた…っ!…それなのに貴女は、俺のことを…っ」
「…透羽さん」
「…っ、俺は…貴女のことも、煉斗さんのことも必ず、どんなことからも必ず守ってみせますっ!」
あたしの足元に膝まづき、手を握られたままこちらを見上げる透羽さん。
その姿はなんだか誓いを建てる騎士のようで少し…恥ずかしくなってしまう。
それから暫く、二人でお互いを見つめ合うような時間が過ぎてー…。
「…透羽、もういいだろ?花蓮から離れろ」
煉斗さんがあたしの肩をぐいっ、と力強く引き寄せたことによってあたし達の手は離れていった。

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