1 お茶会

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「それで、どのようなご用件でしょうか?」  クライドは待ってましたとばかりに包みを差し出す。 「街で見つけまして。お好みなのではないかと」  アンジェリアは怪訝に手を伸ばすが、一瞬早くラドウィルトがそれを受け取る。 「私は陛下にお渡ししたいのですが」 「いったんはお預かりさせていただきます」 「警戒されてますね」  クライドは口の端だけで笑い、ラドウィルトは油断のない笑みを返す。 「臣下の努めなれば、お許しくださいませ」 「良き臣をお持ちであられる」 「お誉めいただき、ありがたく存じます」  皮肉交じりの言葉に、アンジェリアはあえて笑みを返す。 「できましたら今すぐご確認願いたい」  言われたラドウィルトが包みをほどくと、中から本が出て来た。 「これは!」  アンジェリアは目を輝かせてそれを奪う。 「溺愛小説の女神、ジャスミナ・フィンベルの初回限定版! ファンの間では幻と言われている初期作品の!」 「たまたま見つけましてね。お喜びいただけたようで」  彼の忍び笑いに我に返り、アンジェリアはすまし顔を作る。 「あ、ありがたく存じます。庶民の娯楽を知ることは政務に関係しますゆえ」 「お気に召していただけたようで嬉しく存じます」  クライドの今度の笑顔は本心からのようで、アンジェリアは少なからずときめいた。

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