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「かがみななです」
高校3年の2学期の始業式の日に、彼女は突然僕のクラスに転校してきた。ショートヘアの彼女は黒板の前で静かに自分の名前を言って挨拶をした。
加賀美奈々には影があった。彼女には誰も近づかなかった。正確に言うと、何人もの男子生徒が近づいていったが、彼女は誰も相手にしなかった。彼女の対応は女子に対しても同じで、誰が声をかけても、彼女はまともな返答をしなかった。授業で当てられて発表するとき以外、彼女は言葉を発しなかった。それで彼女はクラスの中で孤立した。僕はそんな彼女のことが気になっていった。
彼女が転校して来てから数週間が経った。依然として彼女は誰とも話さず孤立したままだった。実は僕も同じ。僕もずっと他人とのかかわりを拒絶してクラスの中で孤立していた。友達もいない。話す相手もいない。僕はそれでよかった。僕は自分と彼女との共通点を探した。
ある日、席替えがあって、彼女が窓際の一番後の席になり、僕がその隣になった。その日の放課後、僕は自分でも思いもよらぬ行動に出た。

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