0人が本棚に入れています
本棚に追加
早朝仕事に就いたため、俺の起床時間はいつも夜明け前だ。
最初は眠くて仕方がなかったが、今ではすっかり早寝早起きが習慣になった。
そして、朝か早いからこそ、出勤時や職場で『それ』を目にするようになった。
夜から朝に移り変わる寸前の空。そこに浮かぶ雲。その色が俺の一日を予言する。
白く見えれば何事もない平凡な一日。日の光の中で赤く輝けば今日は何かいいことがある。逆に、重たい灰色に見えた時は、物理的、あるいは精神的にダメージむを被る何かがある。
気のせいかもしれないけれど、これがほぼほぼ当たるんだ。だから大自然の占いみたいなものだと思って、
夜明けの空を眺めるのをちょっと楽しみにしている。
さて、今朝はどんな色の雲だろう。
家を出た時には真っ暗だったが、駐車場に着いたあたりで明けてきた空を、車を降りるなり見上げた。
天気予報では今日は快晴。家を出る時も夜空には星が光っていた。
それが総て掻き消されたかのような、真っ暗な雲が天を覆っている。
呆然と立ち尽くしていたら、数分足らずで空は晴れたけれど、俺の気持ちは曇りを通り越して、今にも泣き出しそうだった。
いったい今日、俺の身に何が起きるのだろう。会社をクビになる? それとも何かの事故に巻き込まれる? あるいは…。
脳内を駆け巡る不吉な想像。
ああせめて、今日が命日になる、とかではありませんように。
夜明けの雲…完

最初のコメントを投稿しよう!