ぐい飲みの底

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 日本酒好きの友達の誕生日に、ぐい飲みを贈ることにした。  通販でもあれこれ調べたけれど、直接品を見たいと、休みに実店舗を訪れ、品を見て回った。  良さげな品はたくさんある。だからこそ絞り切れない。  何か決め手になるものはないか。そう思いながら一つのぐい飲みを覗いたら、そこの部分に口の絵が描かれていた。  外から見ると、色も形も地味で渋い印象なのに、内側の底に絵が描かれているなんて、ギャップにちょっと笑ってしまう。  これ、面白くていいかも…そう思った瞬間、ぐい飲みの中から声が聞こえた。 「一緒に飲もうよ」  すぐさまそのぐい飲みを置いたのは、身が悪かったのはもちろんあるけれど、これにお酒を注いだ時のことを考えてしまったからだ。  一緒に飲もう…つまり、この口の絵は、注いだ酒を飲んでしまう可能性がある。  昨今、物価の高騰で酒代だってバカにならないのに、友達の財政を逼迫させるしななんてありえない。  当然却下。友達と一緒にお酒は飲ませません。 ぐい飲みの底…完

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