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用事で親戚の家に来ているのだが、いとこの車で買い物をして帰宅した際、車庫入れ時にブザーが鳴った。
いとこの車は事故防止のため、車が障害物に近接するとブザーが鳴る仕組みになっているのだ。
でも、車庫入れではあるけれど、実際は、広い庭の一部に車を停めているだけなので、周りには何もないから、ブザーが鳴る理由がない。
それを不思議がっていたら、車から降りた後、いとこに、さっきブザーが鳴った辺りにて招かれた。
「この辺りに何かあるように見える?」
「いや、何もないけど」
「念のため、この辺をちょっと触ってみて」
言われるがまま何もい空間に手を伸ばしたが、当たるものはやはりない。
どうしてそんなことを聞き、こんな真似をさせたのか。さらに不思議さが増した俺に、いとこが淡々と告げた。
「前に、友達が家に来た時、この辺りに何かいるって言い出したんた。見ても触っても何もないから、その時は気のせいだと思ったんだけど、車のブザーが毎回この辺りで鳴るんだ。…もしかしたら、本当に何かいるのかもしれない」
予想もしてなかった発言に、俺は近くの何もない空間を凝視した。
どう見ても何もない。手を伸ばしても何もない。けれど、さっき確かにブザーは鳴っていた。
「ブザーの機能、オフにできないの?」
「そういう仕様になってるから無理」
諦めたようにいとこが言う。
俺は明日には帰るからいいけれど、車に乗るたび、何かいると言われた場所でブザーの音を聞き続けるだろういとこに、同情の念が湧いた。
車のブザー…完

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