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変身願望
俺らの仲間の結城郁人は可愛い。男のくせにやたらいい匂いするし、背は低くて声はやたら高い。仕草なんかまるで小学生で高校生なのに、いたずらなんかしたあとの無邪気な笑顔と八重歯を見せられると、いたずら自体つい許してしまう。ただあいつは男だ。それだけが俺らが一線を越えてはいけないと踏みとどまる理由だ。にしたって可愛すぎるんだよ。
「ねぇねぇ章たち、昨日の配信見てくれた?」
「ああ。昨日も可愛かったよ。めろめろんだよ」
可愛いと言うと郁人は素直に喜ぶし、やった! と飛び跳ねたりもするから褒めるのも楽しい。透も平助も郁人に可愛かったよと笑顔で感想を述べている。
「でもさ……、最近伸び悩んでるんだよね……。ただ可愛いだけでいいのかって……。もしさ、みんなが僕にこうなってほしいっていう願望あったら教えてよ! 僕、配信で変身してみせるから!」
可愛い子がそれ言ったらおしまいだろ……。今のままの郁人で充分なのに、その先を見せてくれるだと?
そんな話に乗らない訳にはいかないじゃないか! ただ、ガツガツしていると思われてはイヤだ。ここはスマートに軽めのトーンで言うんだ!
「そうだな……。ショタって可愛いよな……」
郁人は目を丸くしている。まぁ郁人はほとんどそのものだが、小学生みたいな格好してほしい。半袖短パン、なんならランドセルも。
あくまで、可愛い格好の話だ。ショタ好きを公言する話じゃないのだ。
ないのに透と平助が俺に冷たい目線を送ってくる。お前らだって郁人の配信見てる時点でショタ好きだろうが!
「分かった! 僕、今夜はショタになるね!」
もしかしたら郁人も冷たい目線を送ってくるかと思ったら笑顔で了承された。
これは……、もっといけるんじゃないか?
それは十一月も暮れの話。ちょっと早いクリスマスプレゼントだと思って、俺はショタ姿の郁人を妄想していた。

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