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本棚に追加美思の意思で選択をする
「美思、話があるんだ」
退行催眠を受けさせた後、自宅に戻ると
道哉は、すぐにそう声をかけた
「はい。聞きます」
うん。と道哉は小さく頷いた
道哉は、まるでプロポーズの演出を考えるかのように、命令ではない、意思としての返事をもらうため伝え方を真剣に考えていた
美思を窓際に立たせ、背後からその背中を抱き締める
美思は、そうされる事で、また目が潤んでいた
「話というより、確認だ。
美思、目の前の景色が見えるな?」
「はい」
晴天の青空の下で、都内の無機質で密集した 建物が遠くまで見える
しかし、そこは確かに多くの人々の生きる街だ
窓越しでは、外の喧騒は聞こえない
だけど、ノイズが詰まったような景色だった
「俺は、美思を愛してる。
そして、お前を妻として、この背中の温もりを抱き締め続けたい」
「……道哉様」
美思は、涙で潤んだ声を漏らす
「だが、美思が望むのなら、この外の世界へ美思を解放する。
今後の美思の生活が問題なく続けて行けるように、十分な支度金も渡してやる。
だから、美思が選べ。
お前の心の望む方を自分で選んでくれ」
そう伝え終わると道哉は、そっと身体を離した
美思は、窓の外を見たまま
道哉が離れた瞬間、自分の身体を抱き締めた
そして、ゆっくりと道哉の方へ向き直った
「自由を望むなら、そのドアへ向かえ」
道哉は、美思の目を優しく見つめた
その口許は、僅かに口角をあげていた
美思は、少しも考える素振りを見せずに
道哉の元へ歩み寄って
「……抱きしめて欲しいです」
そう言って、道哉の胸に頭をもたげた
「美思、いいのか。
俺は今ここでお前を抱き締めたら、もう離さないぞ?」
美思は無言のまま、自分の腕を道哉の腰に回した
そして、ゆっくりと口を開いた
「どこにも、行かないでください」
道哉は、その言葉を聞いて
僅かに身体を離すと
「美思、キス……してもいいか?」
コクンと小さく頷いた美思の唇は、道哉の唇で塞がれた
その時、美思の腕が
迎え入れる様に道哉の首にまわされた
ハッキリとした意思で、美思は道哉を受け入れていた

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