苦いコーヒー

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「♪さようなら~ 君と出逢って人を愛する 苦しさを 喜びを 知りました~♪」 ピッ 朝の目覚ましの音楽は大好きな「ゆず」の「しんしん」って曲 ゆずの歌を聴くとすっごく心が落ち着いちゃうから 今日もまた何の夢をみたのか思い出せない あの日からあたしは夢をみなくなった …あの日から トクトクトク お気に入りの真っ赤なハートのマグカップに スタバで調達したよくわからない銘柄のコーヒーをいれる 白い湯気が出てて少しだけ顔を近づけたら、一気に眠気がさめる 「おいしい…」 「…あたしコーヒーにお砂糖入れなくてもおいしく飲めるようになったんだよ…」 ー2006年12月 今日で2年間付き合ってたユウトと別れてちょうど1年が経つ 初めてユウトに出逢ったのは2003年の12月 あたしはスタバでコーヒーを頼み、横のセルフサービスのところで大量に砂糖を入れていた 4杯…5杯…6杯…7杯めを入れようとした時 「…すみませんっ!!」 突然スタバの店員さんの格好をした男の人が声をかけてきた んー…背は大体175cmくらい、顔は結構タイプかも、体つきはみた感じがっしりしてる感…… 「すみません!!」 「はい!!」 ぼーっとそんなことを考えてた 恥ずかしい…笑 「…あの…砂糖…」 「あっ!?あたし使いすぎですよね!? セルフサービスだからってこんなに使ったら迷惑ですよねぇ ごめんなさい」 「…そうじゃないんです」 「え??」 「このコーヒーは俺がいれたコーヒーだから、きっと美味しくいれれたはずだから、味を消さないで欲しいって言うか… コーヒー豆が可哀想なんです!!」 コーヒー豆が可哀想?? 前を見ると 真っ赤な顔して店員さんが立ちすくんでる あたしは思わず笑ってしまったけど その笑いは決して店員さんをバカにした笑いではなく 好感の意味を持った笑いだったんだ 「…あの、よかったらもう一度コーヒー入れてもらえますか?? 申し訳ないんだけどあたし全くお砂糖なしではコーヒー飲めないの …でも 今度はお砂糖3つにしてみるから」 「はい!!」 ーそれがユウトとあたしとの出逢いだったんだ
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