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「お待たせしました」
「ありがとう
お金は…」
「いいんです!!俺がワガママ言っただけだから…」
「ふふふ、ありがとう
じゃお言葉に甘えちゃおっ」
あたしは横のセルフサービスのところでお砂糖を
1杯…2杯…3杯…4…
おっと危ない危ない
ついつい癖でいれそうになっちゃった
うしろを振り返ってみたら、あの店員さんがちゃんとチェックしてた
くすっ
そんなに見なくてもちゃんと3杯しかいれてないよーだ
席についてコーヒーを飲んでみる
「…にがい…」
本当に苦くて苦くて
今まで7杯ものお砂糖をいれてたあたしにとっては
3杯のお砂糖なんてはいってないのと同じ
「コーヒーの味どうです!?」
あの店員さんが隣のテーブルを拭きにきていた
「すごく…おいしい」
だってね、あんなに目をキラキラさせてコーヒーどうだったか聞かれたら
こう答えるしかないじゃない
「やった!!!!よかったぁ!!!」
笑顔
すっごい笑顔
かわいい
もう
あたし
すきかも
「あの!!連絡先教えてください」
気がついたら
言っちゃってた
見る見るうちにあのかわいい笑顔が消えてしまって
あたしはすっごく不安になったけど
真っ直ぐにあたしを見る目
「…俺、ユウトって言います
毎日夕方の決まった時間に甘すぎるコーヒーを飲みに来ているあなたを
ずっと気になってみてました
もし
よかったら…
友達からでいいんで付き合ってください!!!」
動揺して
何も言えなくて
どうしたらいいかわからなくて
いたたまれなくて
コーヒーをのんだ
甘い
不思議と本当にそう感じた
お砂糖を7杯入れたコーヒーよりも
ずっとずっと
あまい味がした
あたしを真っ直ぐにみる目
さっきまでにがくて飲めなかったのに
今はすっごくあまいコーヒー
「…よろしくお願いします」
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