お砂糖2つ

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あっという間に 4時間が経って コーヒーを一体何杯おかわりしたんだろう 胃がもたれてる 12月の夕方は 夕日がせっせと消えていく それはきっと 恋人達の為なんだとあたしは思うけど 真っ暗な帰り道 雪はチラホラ 「寒いね」 「うん…」 もう帰らなきゃいけないのが 寂しくて 一生の別れなんかじゃなく これから何度も会えるのに さっきまでお喋りだった2人して 無口になる 雪の上を歩く 雪と靴がこすれる音しか聞こえない 北海道の12月は 寒くて寒くて ほっぺも鼻も耳まで真っ赤にしてるユウトが かわいくて こっそり横顔 みてたんだ あたしの右手が ユウトの左手をつかんだ ユウトはびっくりした顔で あたしをみて ほっぺも鼻も耳までさっきよりも、もっと真っ赤にしてるユウトが 愛しくて ー大好きだなー って思ったんだ そしたらユウトが小さな声で 「ちっちゃい手」 って言って ぎゅって握ってくれた 照れてる横顔をまた こっそりみてた その日の夜から あたしが飲むコーヒーのお砂糖の数は 2つになった お砂糖3つよりも あまいあまい コーヒーの味
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