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ワガママ
ユウトと付き合って1年と2ヶ月が経った
ー2005年2月
いつものデートのあと夜になって
帰りたくないあたしは
「観覧車乗りたーい」
とワガママを言う
すすきのにはノルベサっていうビルの上に観覧車があって
その中に一つだけある
幸せの黄い色観覧車
それにカップルで乗ると
一生結ばれるんだって
「乗ろっ!!」
あたしの右手でユウトの左手をひっぱって走った
なんだかユウトが悲しそうな顔してるからあたしは不安になって
「あたしワガママ言ってごめんね??」
って言ったら
「ワガママ叶えるのが俺の役目だから」
って笑顔で言ってくれたから
あたしは素直によろこんだんだよ
列に並んで2人で順番を待つ
ドキドキ
でも
結局乗ったのは
普通の観覧車…
納得のいかないあたしは
「もう一回乗りたい」
とワガママを言う
でもまた乗ったのは
普通の観覧車で
あたしはやっぱり納得がいかなくて
「最後にもう一回だけっ!!」
って最強のワガママを言った
ユウトはただただ
寂しそうに笑って頷いてくれてたけど
今思えば
あたしたちが絶対に一生結ばれないこと
わかってたのかな
結局
二度あることは三度あるって感じで
乗ったのは普通の観覧車…
ユウトは悲しそうな笑顔で
「また今度乗ろう」
って言ってくれたけど
その約束が
果たされることは
決してなかったんだ
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