現像中継

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 キャンパスから帰ると、部屋の灯りを点けた。薄暗くなっている4畳半の片隅には、幼少時代からのアンティークと化している、祖父の国内量産型テレビがポツンとあった。   上京して来て、都内で最難関の大学へ入れたは良かったが、元々人付き合いが苦手な俺は、入学初日から今日まで友達もできずに一人で浮かれていた。  人混みの中では、落ち着かない性分なものだ。だから、簡素な実家から離れて賑やかな住処へ移っても部屋に閉じこもっている間が一番充実している。  特に何もない日なのだが、疲れたので昼寝をしようとした。  この部屋には、テレビが二つある。  リモコンは一つ。  リモコン操作をして、ぼんやりとしながらプラズマテレビを点けた。  弾むような軽快なメロディーが流れてきて、好きなアニメ番組の再放送が目の前に映ったので、しばらく観てみてみることにする。  そのうち、アニメ番組の展開を思い出してきて「あ、ここでデンジャラス・アンガーマンをQ・Q・ガールズが倒すんだったっけ? 案外、懐かしいもんだな」などと、独り言を呟いていた。  うとうとしてくる。  そんな時だ。  突然、電源も入っていない祖父の国内量産型テレビが、ザアー、ザアー、っと砂嵐を映しだした。  しばらく、驚いて画面を覗いていると、砂嵐を映していた画面が変わり、国内量産型テレビは、何かの白黒の映像を映した。  クラシックが流れだし、飛行機から白一色の宇宙服を着た人が手を振っていた。 「5日間の火星探査から、宇宙船でインド洋へ不時着した古我 進氏が本日午後2時に笑顔で羽田空港に到着しました」  と、堅いリポーターの声で俺はびっくりして、飛び起きた。  部屋の灯りは、まだ点いているも、外はもう真っ暗だった。 「今、何時なんだ!」  思わず怖くなって叫んでしまった。  

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