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唐突に、ユウスケがオカマっぽい声をはりあげた。
「いや~ん、裕人くんたらぁ~。うら、困っちゃう~」
両手を胸の前でにぎりしめ、腰をくねくねとふる。「でもォ、うらの処女はァ、裕人くんのものだからねェ~」
首をかたむけ、上目づかいに、媚びを売るまねをする。
そこまでだった。
自分でもおかしくてたまらなくなったのだろう、ギャハハハハ、と盛大に吹き出してしまった。
そばに立つリョウとマモルも、つられて笑った。
笑わないのはひとりだけ。三人に囲まれて、床に転がされた少女――軽見うら、だけだ。筧高校の制服である地味な紺色のブレザーとスカートをはいている。白いブラウスの襟元には、えんじ色のリボンタイ。両足には白いソックス。でも、黒いローファーをはいているのは右足だけ。左足のほうは脱げて、近くの床に転がっている。
うらは、にらみつけるようにリョウを見上げている。なにも言わない。いや、言えない。彼女の口にはさるぐつわが嚙まされているからだ。さらに、両手はうしろにまわされ、両方の手首が、インシュロックタイで固定されていた。
ここは筧町の町はずれにある、古い廃工場の中だった。教室を三つ繋いだほどの空間が広がっている。室内には、隅にほこりをかぶった大型の機械が三台残されているだけで、あとはがらんとしている。窓には見通しのきかない模様入りのガラスが入っており、そこから、夕方近くの弱い光が入って、部屋のなかはたそがれどきのように薄暗かった。
「へえ、うらちゃん、意外に落ちついているじゃん」
うらを見おろして、リョウが言う。彼も、そのほかのふたりも、筧高校の男子の制服である、紺色のブレザーとズボンをはいている。白いワイシャツの襟元から下げているのは、えんじ色のネクタイだ。
リョウが続ける。
「もしかすると、日下部裕人くんが助けに来てくれる、って期待しているのかな?」
リョウは侮蔑するような笑いをうらに投げかけ、手を顔の前でひらひらと横にふった。
「いやあ、来ない来ない。日下部裕人くんが待っている、ってのは、まっ赤な嘘。残念だったねえ。うらちゃんが片想いの裕人くんは、いまごろ、両想いの松本レナちゃんといっしょに、下校しているんじゃないかなあ。あっ、もしかして、ふたりでラブホにしけこんで、チチクリあっているかもね」
リョウが下品に笑った。つられるように、ユウスケも、マモルも笑った。
「というわけで、今日はおれたちが相手してやるからさ。うらちゃんは処女かなあ? ん? 男は初めて?」
うらはリョウをにらむばかりで、反応を返そうとしない。
「そっか。否定しないところを見ると、やっぱ処女なんだろうな。じゃあ、おれたち三人で、初めてのチンコを味あわせてやるよ。楽しみだろ、え?」
そう言って唇をゆがめ、へっへっへっ、と笑った。

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