美しい君

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白い肌。長い睫毛。柔らかそうな唇。 何処か取ってしまえば彼と言う人材は出来ない、全てが揃った彼の顔はとても綺麗であったのだ。 ピオニーはその場でしゃがみ込み、人差し指で、寝ている彼の唇を撫でた。 こんなにも端正な顔立ちをしているのに寝ている顔は酷く愛らしい。 「可愛い顔しやがって…。食っちまうぞ。」 話し掛けるようにして発した言葉は独り言に終わる。 「本当に…可愛い…」 ピオニーは呪文のように何度もそれを呟くと、ゆっくりと唇を重ねた。 そして立ち上がる。
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