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愛息子との穏やかな日々
北の最果て・ゴルヴェニア王国――――
季節は夏真っ盛り。
大陸の一番北に位置する辺境の村ロッジェにも短い夏が訪れていた。
私は愛する愛息子アルジェールと共に、四年半ほど前からこの村に住み、パン屋で働かせてもらいながら細々と生活をしている。
「カタリナ!このパンをちょうだい」
「はい、いつもありがとうございます!」
お客さんに頼まれたパンを包んだり、焼いたパンを店頭に並べたり……パンは生活になくてはならないので、パン屋さんはいつも大繁盛だった。
村はこじんまりとしていて、ほとんどの村人が顔見知り。
皆が気安く話しかけてくれて、アルジェールの面倒も見てくれたり……私はこの村が大好きだった。
外からやってきた私を温かく受け入れてくれたパン屋のおかみさんやそのご家族にも、感謝してもしきれない。
「カタリナ、このパンをレンドンさんのところに届けておくれ」
「おかみさん!分かりました、レンドンさんですね」
「アルジェールはうちの人が遊んでいるから心配する事はないよ」
「ありがとうございます!いつも助かります……!」

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