3人が本棚に入れています
本棚に追加①舞香
礼太くんのおたんじょうびかいにきてねって。
礼太くんのママにしょうたいされたの。
いかなくっちゃ。
でも、何をもっていけばいいのかしら。
「そうねえ、舞香ちゃんが礼太くんにあげたいもの、でいいと思うんだけど」
ママはそういうけど。
あげたいものってなんだろう?
あたしはかんがえる。
「うーん、うーん。たとえばおいしいおかしとか? かっこいいキャラクターのついたハンカチとか? どうおもう? ママ」
ママはうでをくんで、首をかしげた。
「そうねえ、舞香ちゃんがお手紙を書くっていうのはどうかしら」
「おてがみ?」
おてがみ。
おてがみかあ。いいかも。
「かわいい紙がほしいな。ママ、もってる?」
そういうと、ママはおかおのまえでパチンとてをたたいた。
「あるわよ、とっておきの可愛い紙が!」
かわいいわんちゃんとねこちゃんのえがかいてある。
うすいぴんくの紙。よこにせんがはいっているのはこれにあわせてかいてってことかなあ。
ママのとっておきのその紙は、キッチンの引き出しからでてきた。
ママはかわいいものがすきなんだって。
ちらりとみえた引き出しのなかにはまだまだでばんをまっている紙がたっくさん見えた。
もらったその紙をつくえにおいて、あたしはえんぴつをもった。
くれよんでもいいんだけど、書きにくいからえんぴつ。
ようちえんではまいにち絵本をよんでるから。
ときどき字のれんしゅうもしてるから。
きっときっと書けるはず。
あ、でも。
「何を書こうかなあ」
礼太くんは、げんきがよくて大きなこえであいさつができて、なわとびもじょうず。足も速くってかっこいいの。
いちばん大好きなのは、誠くんなんだけど、にばんめは礼太くん。
『いちばんだいすきだよ』
『これからもあそぼうね』
『おたんじょうびおめでとう』
うん。
いちばんっていうのはちょっとだけうそだけど。
あたしはゆっくりていねいに字を書いた。
こんなにたくさん書くと紙が字でいっぱいいっぱいになっちゃうけど、しかたないよね。
たくさん書いてあるときっと礼太くんもよろこんでくれるはず。
ママがふうとうもくれたから、あたしはおてがみを折ってお指のアイロンをかけた。
すこしはしっこがずれてるけど、ふうとうに入る。だいじょうぶ。
ポシェットのポケットに入れていこう。ポシェットはピンクだから、かみのけをむすぶリボンもピンク色にしよう。
「礼太くん、よろこんでくれよね、きっと」
①舞香 了

最初のコメントを投稿しよう!