「さて、これをどうするか」
目の前には綺羅羅の糸で簀巻きにされた東宮皇が暴れている。
「この離せ! 畜生、お前も悪魔だろ、なんでこんなことすんだよ」
東宮皇が綺羅羅に向かって叫ぶ。
「いやいや、わたし悪魔になった覚え無いけど? 生まれてこの方、人間ですけど?」
「蜘蛛の化け物が何言ってやがる!」
「……鈴花、こいつちょっと毒で痺れさせて良い? どうせ逆さ十字探さないといけないし」
「良いよ、任せた」
綺羅羅は東宮皇に近づくと首に噛み付いた。
「わたしの牙からは神経毒がでるの、そのまましびれてなさい」
暫くすると、東宮皇の動きが鈍くなった。綺羅羅が糸を解き、東宮皇の服を脱がせていく、胸元に逆さ十字のマークがある。
「鈴花、目を汚すようで悪いんだけど、これ描いてくれない?」
「悪魔図鑑に?」
「そうそう、多分それで封印出来るからさ、削いだり焼いても良いらしいけど、鈴花、嫌かなって」
「うん、ちょっとグロくて嫌かもしんない、急いで描くね」
鈴花は携帯していた鞄から悪魔図鑑を取り出し羽根の模様で出来た逆さ十字を綺麗に素早く模写した。
完成と同時に悪魔図鑑が光輝き、逆さ十字が悪魔図鑑に刻まれる。
東宮皇の胸元から逆さ十字は消え去り、生えていた黒い翼も消えた。
「一件落着かな?」
綺羅羅が東宮皇の服を整えると、救急車のサイレンの音が聞こえだした。
「不味いな、蜘蛛の糸が張ってあったとしても、何人か飛び降りたんだ、誰かが呼んだんだろ」
「綺羅羅、どこかに隠れないと、屋上だし隠れる場所無いけど」
「いや、大丈夫、暗くなるまで屋上にいたほうが安全だ、いざとなったら、木にでも飛び移るよ、それより車椅子回収してくれない? 中庭に置いてあるから」
「分かった、でも、綺羅羅はどうやって帰るの?」
「……屋根に飛び乗るか……」
「人に見つかっちゃうよ……」
「「二人ともーむかえにきたよー!」」
空の上から声が聞こえた、綺羅羅と鈴花が上をみる。巨大な八咫烏が現れた。タクトと銀髪の綺麗なお姉さんが乗っている。
綺麗なお姉さんは八咫烏から飛び降りると二人の前に立った。
「いやはや、噂は聞いてたよー。蜘蛛の綺羅羅くんと鈴花ちゃん! はじめまして、狩人の東雲雷です。雷さんって呼んでね! うちのコ、八咫烏のクラヤミ、五人ぐらいは乗れるから、乗って帰ろう! 」
「凄い、大きい、乗ってもバレないんですか? 」
鈴花が恐る恐るクラヤミの嘴を撫でる。白檀のような香りがした。
「悪魔は人間には認識できないからね、クラヤミは悪魔というよりは神様に近いけど」
「神様……悪魔もそれぞれなんですね」
「そうなのよ、悪魔として暴れる輩もいればそうでないものもいるからね」
「よろしくお願いします。クラヤミ様」
鈴花に続き綺羅羅も挨拶しようとしたが、パクっと頭を食べられてしまい、雷さんが止めにはいった。
「私は車椅子を回収して帰るので、綺羅羅をよろしくお願いします」
「ああ、任せといて」
雷さんはそういうと綺羅羅をクラヤミに乗せた。去っていく、クラヤミをみながら悪魔ってなんだろうと疑問が深まってく鈴花なのだった。
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