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本棚に追加夕方
「家まで送る」
「え? いいの?」
いいに決まってんだろ。
むしろ俺が送りたくて仕方ない。
夏海の家の前までの道は、
俺にとっては毎日の特等席だ。
夏海の話に相槌を打ちながら二人で
家までの道を歩く。
「また明日ね、廉くん」
「おう」
「夏海、俺、夏海のことが
す、……すき……」
——ドアが開く。
「お姉ちゃん!」
バタン!!
「……だっ、いてぇ……!」
背中に再び衝撃。
告白できたのか?
俺の気持ちはちゃんと夏海に届いたんか?
ドアの向こうから元気な声。
「ねー! 宿題わかんない!」
「ちょ、駆(かける)! ノックくらいしてよ!」
……告白、消滅。
(いてぇから……駆のヤツ……)
小学生の弟が飛び出してくる。
「お前、また来てんのかよ!」
「“また”って何だよ!」
腕をぐいっと引っ張られる夏海。
駆がライバルを見るような目で俺を見る。
「おねーちゃん、早く! ゲーム!」
「ちょ、待って……!」
振り返って小さく手を振る。
「ありがと、廉くん」
……くそ。
門が閉まる音がやけに早い。
(俺の五分……)
翌日
「弟、今日いないの?」
「うん。友達の家」
よし。
「夏海」
「ん?」
「……俺」
喉がカラカラだ。
「俺、夏海の彼氏になりたいんだけど……」
「……うん。私も、廉くんの、彼女になりたい」
「夏海。ずっと好きだった。」
——やっと言えた。
心臓がまだうるさいけど、
今度は悪い意味じゃない。
夏海が、照れながら少しだけ笑う。
「……遅かったね」
「……うるせぇ」
でも、もう遅くなんてねぇ。
これから、夏海は俺の彼女だ。
他のやつに、夏海を触らせる気なんて、
最初からねぇけどな。

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