ほうじ茶 ④

1/1
前へ
 /24ページ
次へ

ほうじ茶 ④

「蓮人、わたしねぇ、『ずーっ』とスッキリしていなかったのよ……自分から『別れよう』って言ったものの…あの日、テスト中なのに、どうして放課後の教室に東田さんと二人で、あなたが居たの? あと、そういえば…...........あの日、蓮人を教室の前で待っていたら... 『用事が有るから、先に帰って明日のテストに備えて勉強しとき』って、私を一人で帰したじゃない?」 私は思い切って、今まで聞きただせなかった『モヤモヤ』を突きつけた。 彼は私の目をシッカリ見つめ、静かに話し出した。 「あの前の日に……東田さんから手紙を貰ってた。」 「手紙?」 「明日の放課後に話したいことがあるって……もし、来てくれなかったら、天ヶ瀬から飛び込むって書いてあって………。」 「えっ!……何それ!…」 余りに極端な言葉に、私は思わず口に手を当てた。 「言われた通り夕方に教室に行った。 それまでは、一人で図書館で勉強してたんだ。 そこで、告白されたよ。 ずっと好きだったって……『奏音が居るから好きって言えなかった………けど、奏音は東京に行ってしまう、だから自分と付き合って欲しい』って……」 私は言葉を失った。 あの親密な空気感から、てっきり2人は付き合っていて...私は蓮人のお荷物になっているんだ......と思い込んでいたから……。 「―――実はね。 あの後、すぐに、わたし東田さんに呼び出されていたの。 『東京に行くなら、市ヶ谷君とキッパリ別れて行って』と言われていたから…… 2人はあの後、てっきり付き合ったのかと思ってた」 その言葉を聞いて蓮人は心底驚いた様に目を見開いた。 「なんやそれ!…………… 東田に呼び出されてたって? 何でその時に言ってくれなかった? 今更...そんな事言うても手遅れやけど……もっとオレを信じて欲しかったなぁ。」 彼は寂しそうにポツリといった。 たった一つの不信のせいで私達の大切な時間が7年前に止まってしまっていた。

最初のコメントを投稿しよう!

55人が本棚に入れています
本棚に追加
広告非表示!エブリスタEXはこちら>>