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本棚に追加天使との出会い
「あ、赤ちゃん?!?!?!」
職場の部屋の入口の前に置かれていた
白いバスタオルに包まれていた物体。
その中を覗くと、可愛らしい赤ちゃんが顔を覗かせていて
思わず尻もちをついた。
たまたま今日は一番早い出勤で
たまたま今日は先生の仕事部屋へと続くこの廊下を通って
たまたま、私が第一発見者だったから
ほんとにこれは只の偶然だったというのに…。
「先生…っ?!?!」
「Zzzzz…」
「先生!起きて!寝てる場合じゃない!!」
「んだよ……、うっせぇな……」
私の仕事は漫画を書いてるそこそこ売れっ子の
北山先生のアシスタント。
先生の自宅とくっついてるこの仕事部屋が
私の一年ほどお世話になってる職場。
「赤ちゃんがいますよ?!?!」
「………は?」
「部屋の前に!
赤ちゃんが置かれてたんですけど?!」
まだ開けきれてなかった目をまん丸に見開いて
ようやく机の上から顔を上げた。
「……何言ってんだ、お前」
「だから、赤ちゃんが、
おぎゃーーー!!
必死で説明しようとする私の言葉を遮るように聞こえてきた声。
その声は私の言葉を一気に決定づけるような
赤ちゃんの泣き声だった。
「………え?」
「ちょっと待ってくださいね、今連れてきますんでっ」
泣いてる赤ちゃんを放置も出来なくて
慌てて部屋の前に戻ってそれを抱き上げると
私の顔をじっと見上げるように、途端に泣くのをやめた。
「ほら!赤ちゃん!」
「……なんで?」
「知らないですけど……」
なぜに赤ちゃんが先生の部屋の前に置かれていたのか。
二人で呆然としながら何一つ状況が理解出来ない中
タオルからハラリと何かが落ちた。
「……手紙だ。」
赤ちゃんを抱き上げてる私の代わりに先生がそれを拾うと
声にも出さずそれをじっと見つめていた。
.
「先生……?」
あまりにも長い間その手紙に目を通してるもんだから思わず声をかけると
顔を上げ、その手紙をくしゃっと握りしめるようにして私を見つめた。
「……俺の子だって……。」
「はい?」
これが私と北山先生の
運命なのか必然なのか分からない
波乱に満ちた毎日の始まりだった。

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