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久しぶりに会った友達が持っていたブランド物の財布。聞けば、リサイクルショップでかなり安値で売られていたという。
本人は、いい買い物をしたと喜んでいるけれど、その財布には穴が開いているようにしか見えなかった。
それとなく傷の有無などを尋ねてみたけれど、新品同然だと語る友達に、嘘はまったく見られない。
どうやら穴が開いているように見えるのは私だけらしく、それでは指摘もできないと、そのことは胸にしまっておいた。
そこからまたしばらく、その友達とは会うことがなかったのだけれど、再び会った時、友達はあのブランド財布を手放していた。
「なんか、出費がやたらと多くなって、気づいたらなけなしの貯金もすっからかん。ギリギリ借金は免れたけど、手持ちの品とか色々売ったりしたんだよね。あの財布も、惜しかったけど、生活のためには売り飛ばすしかなかったって訳」
それでも最近は激しい出費は落ち着き、また少しずつ貯金をしていくつもりだと友達は言った。
それを聞きながら、私は、あの日自分が見たものが、目の錯覚ではなかったことを確信した。
友達には見えなかったけれど、あの財布には間違いなく穴が開いていた。だからたちまちお金が無くなってしまったのだろう。
もしかしたら、あれの前の持ち主も、出費がかさんで財布を手放すしかなくなり、リサイクルショップに売ったのかもしれない。
友達も『売った』と言ったから、あの財布はまたどこかの店頭に並び、気に入って購入した人を金銭的に破滅させるのだろう。
これ以上困る人が現れないよう、もう、あの財布は誰にも買われずにいてほしい。
財布の穴…完

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